今回のテーマはゲーム機からディスプレイに映像を伝達する際に必ず接続しなければならない「映像端子」です。
一口に映像端子といってもアナログとデジタル、新しいものから今ではあまり使われなくなった古いものまで様々な種類があります。
主だったものの外観や特徴などを紹介していきたいと思います。
・コンポジット端子
RCA端子、ピン端子とも呼ばれます。
映像に必要な明るさと色の信号(色輝度信号(Y)、色信号(C))を併せてで伝送するのでコンポジット(複合)端子という名称になっています。
昔の家庭用ゲーム機やビデオデッキ等に使用されているもので、黄・赤・白の3本ケーブルになじみのある方も多いのではないでしょうか。
黄色の端子がアナログ映像信号用で赤と白はそれぞれアナログステレオ音声の右と左になります。
1本のケーブルなので接続が容易な反面、信号が干渉を受けるために画質が悪いというデメリットがあります。
・S端子
上記のコンポジット映像信号の輝度信号(Y)、色信号(C)を分けて伝送することにより映像劣化を抑え、高画質になります。
SはSeparate(セパレート/分離)の略。
画角(アスペクト比)信号を同時に伝送するよう拡張したS1端子・S2端子といったものも策定されています。
・RGB21ピン
1990年代頃のPCや家庭用ゲーム機に採用されていたアナログ映像とアナログ音声を伝送する端子です。
フランスで規格化された「SCART端子」というものと同一形状をしていますが、一部仕様が異なっている為に呼称が違っています。
色信号を合わせる事なくR/G/Bを個別に伝送するので色のにじみが少なく、当時のゲーマーからは最高画質として人気を博しました。
ですがその後はD端子やVGA端子に置き換わっていき、現在では見かける事はほとんどありません。
・コンポーネント端子
アナログハイビジョンの高精細な映像を伝送する為に1996年登場した端子で、映像に必要な明るさと色の信号を3つ(輝度信号(Y)、式差信号(Pb/Cb)、式差信号(Pr/Cr))に分けて伝送します。
高解像度の映像を少ない劣化で伝送する事ができますが、映像信号だけで3本のケーブルを接続しなければなりません。
名前の似ているコンポジット端子とは全く別のもので、端子の色は緑/青/赤です。
・D端子
1999年に策定された映像機器のアナログ映像信号を伝送する為の日本独自の規格です。
そう!D端子のDはデジタルの略ではないのです。端子を縦に見ると「D」の形に似てる事から名付けられたそうです。
プレステ2に採用されて以降様々な家庭用ゲーム機に使われているので知っている方も多いかと思います。
コンポーネント端子が3本のケーブルを使っていたのに対し、こちらは1本にまとめて、さらに画角(アスペクト比)信号も伝送する事ができます。
D端子は映像信号の種類によってD1・D2・D3・D4・D5という規格が規定されていて、D5においてはいわゆるフルHD(1920×1080ピクセル)の映像を伝送する事ができます。
・VGA端子
D-Sub15Pin、アナログRGB端子とも呼ばれます。
VGAとは1987年にIBM社が策定した「Video Graphics Array」という規格の略です。
映像のみ伝送可能で音声の伝送はできない為、別途音声用ケーブルを接続する必要があります。
1990年代から2000年代にかけてPCの映像端子として普及しました。
2010年にはIntel社、AMD社がVGAへの対応を終了するとしましたが、現在でも法人向けPC等にはアナログ出力として使用される事があります。
業務用ゲーム機でもよく目にするスタンダードな映像端子と言えるでしょう。
・DVI端子
「Digital Visual Interface」の略称で、その名の通り映像をデジタル伝送する為の端子です。
無圧縮のデータを伝送できるようになった為、高画質・高解像度の映像を映す事ができます。
DVI端子には複数の規格があり、デジタル伝送だけだなくアナログ伝送にも対応したものを「DVI-I」、デジタル伝送だけに対応したものを「DVI-D」と呼びます。
また、対応する解像度によっても分類があって1920×1200ピクセルまでの映像に対応したシングルリンクと2560×1600ピクセルまで対応するデュアルリンクがあります。
それぞれコネクタのピン数が異なっているので外観で判別できます。
VGA端子同様、2010年にIntel社、AMD社が対応終了を宣言しており現在ではHDMI端子に置き換わってきています。
・HDMI端子
HDMIとは「High Definition Multimedia Interface」の略称です。
2002年、DVIを基にソニーやパナソニック等7社がデジタル家電向けに策定した規格です。
無圧縮デジタル伝送による高品位な映像・音声に加え、機器制御の信号も含めて1本のケーブルで接続が完了する利便性も持ち合わせてます。
民生品においては2024年現在、最も普及したスタンダードな映像端子と言えます。
HDMIは年々アップデートを重ねて機能や帯域を拡大してきました。
初期のHDMI1.0では1920×1080ピクセルだった最大解像度は最新(HDMI2.1)では8K(7680×4320ピクセル)まで拡張され全く別物といって良い程進化しています。
この為、接続の際に適切なケーブルを選ばないと機器の性能を生かせない場合がありますので注意が必要となります。
上位のバージョンには所謂「下位互換性」がありますので最新バージョンのケーブルを使えば間違いありません。
ゲーム機においては家庭用のPS3が最初に搭載し、その後は業務用も含めて多くの機種に使用されています。
HDMI端子とHDMIのロゴマーク
・DP
「Display Port」(ディスプレイポート)の略です。
2006年にPC関連の標準化団体「VESA」がDVIの後継として策定した規格です。
PC用のインターフェイスなのでテレビや家庭用ゲーム機などには使用されていません。
策定の当初から高解像度・高リフレッシュレート(1秒間に映像を書き換える回数)での使用を視野に入れていた事もあって、現状で最も性能の高い規格となっています。
最新規格のバージョンDP2.1では8k解像度での120Hz駆動、4k解像度では240Hzと圧倒的な伝送帯域を誇ります。
近年PCゲームでは高リフレッシュレートの需要が高くなっており、ヘビーゲーマーにおいてはDP接続一択といった状況になっています。
DP端子とDPのロゴマーク